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ロッテン新聞VOL.184を公開しました。

産んでくれてありがとう

文 佐藤薫

実は先月インスタライブ配信中に母の病院から電話がありかけ直すと食事中に急変し心停止しましたと言われました。ビックリしてもう亡くなったんですか??と聞いたら死亡確認はまだですが亡くなりました。と
もちろん当たり前ですがめちゃくちゃショックでしたが、今月お見舞いに行った時爆睡して起きなかったお母さん、お風呂以外はベットの上にしかいれないお母さん、出されてものを食べるしかないお母さん、着ているものは病院のパジャマなお母さん、もうすべてにおいて選択権がないお母さんでした。
その入院生活が5年。正直私と兄は1日でも生きていて欲しかったけど本人はどうなんだろうと考えるとこれで良かったかなと。電話をもらってすぐ新幹線に乗って病院に行って母のお顔を見たら穏やかなお顔で苦しくなかったのかなと思いました。食事中に急変して15分で亡くなったので本人が苦しむ時間が短かったのなら良いかなと。
兄と病院を後にした時にお父さんの時と全く気持ちがちがうねと話してました。父の時は何で?!どうして?!嫌だ!!!という気持ちしかなかったけど、母の時はこれはこれで良かったと思えたのです。そして病院の母の荷物って紙袋1つ。ほぼ書類で母の私物はないのです。私たちは自分の意思で毎日袖を通す物も口に入れる物も選択できますよね。いつの日かそれができなくなる日がくるのです。私は自分で選択できなくなる日まで袖も通す物も口に入れる物も妥協しない!とまた母から教わった気がします。棺にはこの39のありがとうを兄と1ページづつ書いて入れました。書いてくれるかなと心配していたら書こう!!!と言ってくれて1ページ目にはお互い産んでくれてありがとう。でした。そこには私の知らなかったことも書いてありやって良かったなと思いました。そしてやっぱり葬儀や遺産についても全く揉めることがなくスムーズに決まっていく兄を産んでくれた母に感謝です。

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